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“Pietà” Michelangelo


が24歳の時、バチカンのサン・ピエトロ大聖堂でミケランジェロの「ピエタ」を見て感動した記憶は未だに生々しい。偶然彼が24歳の時の作品で、とても大理石で作られたとは思えなかった。 ただ、何故死んだイエスを抱く聖母が20代の女性にしか見えなかったことがずっと気になっていた。「処女マリアは永遠に歳を取らず若く美しいのだ。」という教科書的な説明もしっくりと納得できないでいた。

先日スペイン人から面白い話を聞いた。 ルネッサンスを代表するレオナルド・ダ・ヴィンチは知の巨匠で、ミケランジェロは力の巨匠のように思われがちだが、じつはミケランジェロはその早熟の才をメディチに認められ、彼が主催する私設プラトン・アカデミーに既に15歳で入門していたのだ。 そこはピコ・デラ・ミランドラをはじめ当時を代表する知の巨人たちが講師を勤める最高の学府だ。そこでミケランジェロは最新の人文学を徹底的に叩き込まれた。

その考えは、ローマ・カソリックの教えを根本から覆す脅威であった。 故に、ミケランジェロの師、ピコ・デラ・ミランドラは砒素で暗殺される。 「先生の仇をとってやる。」ミケランジェロは、バチカンから依頼された「ピエタ」にピコ・デラ・ミランドラから受け継いだ教えを密かに封じ込める。

最近、このピエタの、ミケランジェロ自身の習作とほぼ確実なテラコッタ小品が偶然発見される。

それには、聖母とイエスの間に、「天使」ではなく、なんと「キューピッド」の像が存在していたのだ。 周知の如く「キューピッド」はギリシア・ローマ神話の「愛の神」であって、カソリックにとっては異端である。それをピエタに組み入れることは即ち作者も異端者と見なされ、作品の破壊はもとより、作者の生命も危うくなる。当然バチカンに納めらた「ピエタ」にはキューピッドは存在しない。

ではこの「キューピッド」は誰と誰を愛で結びつけているのか? カソリック教会が必死で隠そうとしていたことを幼いミケランジェロはメディチ家のアカデミアで洗脳された。 その彼が教えられ信じ込まされた一つはイエスが結婚していて、その相手がマリア・マグダレナで、「ピエタ」のイエスを抱く女性は聖母ではなく実はマリア・マグダレナだというのだ。

アタナシゥス派であるローマ・カソリックにとってはあくまで、イエスも聖母も神であり続けなければならないのだ。「世俗的な愛などもってのほかだ。」しかし彼らは、ミケランジェロの生死を賭けた復讐の意図を見抜くことなく、「ピエタ」は500年以上バチカンの宝とされている。さらに「ピエタ」制作の後、ユリウス2世から依頼(命令)されて30歳の時に描かされたシスティナ天井画にも、カソリックの教義に反し、且つユリウス2世を嘲笑する画面が各所に隠されてあると言う。ホント?

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