top of page

Madness


YAYOI KUSAMA has been living at mental hospital as permanent residence since 1977 by choice.

In the Renaissance period, in which seriously people tried human reconstruction, madness was rather respected by society as a positive phenomenon. Because they believed that a madman was an existence that made them understand the idea, and reasoning could not reach the kingdom of God, but only eccentric people were able to approach the reason of God. Bosch and Bruegel painted the "madness" as the inevitability of death, the imperceptibleness of the universe.

As much as society tries to order and administer humans, there is a limit. “Madness” has the power to save the truth that has fallen from it. Thus, fills the missing part of the "human face" in modern times, and revives human beings. And that is exactly why YAYOI KUSAMA moves us.

「もしベトナム戦争を止めて頂ければ、あなたに私の体を差し上げます。」 と草間は当時のアメリカ大統領ニクソンに公開書簡を送りつけた。

母親から肉体的虐待を受け、更に父親と彼の複数の愛人のスパイをするよう命じられた幼女がいた。 勤労奉仕でパラシュートを縫わされ、上空にB29の爆音とけたたましい空襲を聞いていた少女がいた。 10歳位から既に彼女は水玉模様の野原の幻想を見るようになり、それを守護札のように描き続けることが始まる。彼女にとって、この水玉のお札で周りを結界のように囲うことが身を守る唯一の手段と思い定める。

何から身を守るのか?それは社会だ。男のファルスが女性を支配する社会、戦争を楯にに強いものによって隷属させられる社会。恐怖で恐怖で仕方ないのだ。もし水玉を描く事を止めてしまえば、その隙間から奴らは私の体を奪ってしまう。もしアートが無かったら、とっくに私は死んでたわ。

やがてそんな日本の狭苦しく、隷属的、封建的、女性蔑視社会に耐え切れず、日本脱出。27歳。60年代アメリカは前衛真っ盛りだった。彼女と同じ建物に居たドナルド・ジャッドを始め草々たるアーティストがひしめきニューヨークは加熱状態だ。そこで草間は火がついた。たちまち彼女は水を得た魚のようにグループの中で頭角を現していく。 つまり草間にとって描くことは生きることだったのだ。これ程強力な動機は無いじゃないか? 命を賭しているのだ。好きや嫌いなんてのんきなことやってられないわよ。

最愛のパートナー、ジョゼフ・コーネルを亡くした彼女は1973年に日本へ帰国。だが、本音をさらけ出し、難なく魔手から身を隔離できたニューヨークから離れて、実際には芸術家としては相手にされなかった草間が日本で選んだ避難場所は精神病院しかなかった。

そこでは彼女を安全に社会から締め出し「監禁」してくれる。

近代人は自分達が正常であることを証明するため、狂人を作り上げる必要があった、と言うフーコーの考察は 正鵠を得ている。 人間復興を真剣に見据えたルネサンス期には、狂気はむしろポジティブな現象として社会で尊重されていた。なぜなら、狂人とは、理性によっては神の領域には到達できないという思想を実見させてくれる存在だからだ。常軌を逸した者のみが神の理性に近づけるのだ。

ボッシュやブリューゲルも、死の不可避性、宇宙の不可知性として「狂気」を描いた。

幾ら社会が秩序を保ち人を管理しようとしても、その限界はある。狂気はそこからするりと零れ落ちた真実を掬い取る力を持っている。 こうして狂気は現代に「人間の顔」から欠落した部分を埋めてくれ、人間そのものを復活させてくれる。だからこそ草間の作品は我々の魂を揺さぶり続けるのだ。

Featured Posts
Recent Posts
Archive
Search By Tags
Follow Us
  • Facebook Basic Square
  • Twitter Basic Square
  • Google+ Basic Square
bottom of page