"Venice Was All in Gold"
Lucio Fontana
Thyssen Museum @ ティッセン美術館
Apollo 11 reached the moon in 1969.
In the previous year, Lucio Fontana died in Italy, who had already crossed the artistic Universe by cutting and piercing the canvas with a knife.
How was it possible to accomplish great deeds, for him, Van Gogh, Picasso, Gaudí, Yayoi Kusama, etc.?
Some people say "Because they were geniuses". That can be said later. It is an unconscious excuse to convince them that they can not do. The difference between them and us is extremely small. The difference will be "concentration". They were dedicated only to art, and were 100% focused on it.
1969年、アポロ11号が月面に到着した前年、イタリアでキャンバスをナイフで切り裂き、アートの宇宙に風穴を開けていたルーチョ・フォンタナが死んだ。
彼を始め、ゴッホ、ピカソ、ガウディ、草間 彌生など、どうして彼らの偉業が可能になったのか。
「彼らは天才だったから」という。それは後付けに過ぎない。出来ない自分を納得させるための無意識の言い訳だ。人の違いは紙一重だ。その紙一重が「集中」だろう。
絵なら絵のことだけを四六時中やる、掛け値なしでそれに100パーセント集中する。
「それでは生活できないじゃないか?」「経済的に安定して絵を描きます。」とよく言われて来た。絵が生活の外にあってはいけない。
絵イコール生活、生活イコール絵だ。
ただし勿論それは生活のために絵を描くという意味ではない。
自分のやりたいことだけを本当に集中してやり続けることが出来る人は何人いるだろう?
怖いから出来ない。だから保険を掛ける。別のことに手をだすだけで、集中力は半減する。さらに増やすと三分の一になる。
とにかくやってみることだ。人生一度じゃないか。
ピカソもパリで暮らし始めた頃極貧で、ストーブにくべる薪がなく、デッサンを燃やし、カチカチになったパンを水でふやかして空腹を凌いでいた。それでもたまに絵が売れると、その金を持っていつも食わしてもらっているレストラン「ラパン・アジル」に飛んで行き、皆に奢って一晩で使い果たしてしまう。明日のことは何とかなるさ。
「ファースト・ペンギン」という話がある。
氷上でペンギンの群れが固まって押し合っている。
中々誰も海に飛び込まない。
海には餌もいるが、アザラシのような敵もいる。
しかし飛び込まなければ、皆飢え死んでしまう。そして誰かが最初に飛び込む。
これが前衛アートだ。自分の為ではない、これで世界が良くなるんだ、という身を賭した心構えがあるからこそ周りを動かすし、また周りが自分を応援してくれる。
リンゴばかりを齧り、数多くの失敗と試行錯誤を経て、「アイフォン」を世に出したスティーブ・ジョブス、日本で唯一集中できる場所と思い定めて精神病院に入り制作し続けている草間 彌生、サグラダ・ファミリアの工事現場の片隅の粗末なベッドで寝起きし、仕事の事を考えながら道を歩いていて路面電車に轢かれて死んだガウディ、彼らが残した業績の大きさは計り知れない。
彼らを「天才だったから」と言って片付けるのは簡単だ。
私は15歳の時皆の前で「ゴッホのような立派な仕事をしたい。」と誓った。その少年の約束を果たさなければならない。