Goya vs Picasso
"Black Painting" by Goya, @ Prado Museum, Madrid "Les Demoiselles d'Avignon" by Picasso @ Museum of Modern Art, New York
After gained secular fame, Goya and Picasso abandoned it, and began the true Art. That moment the history of art changed.
ゴヤはサラゴサの寒村から同郷のバイユーを頼ってマドリッドに出る。 持ち前の「精力」と神業的「描写力」で宮廷画家にまで上り詰めた。 まさに名声を勝ち得た時、聴覚を失い、代わりにそれまで抑えていた内面の声を聞く。 社会の裏側が噴出す。0から100までの表を知り尽くした彼はやはり100から0までの裏も熟知している。もうお偉方に媚びへつらって生きるのはごめんだ。真実を描いてやる。 彼が自嘲的につけた「聾の家」の食堂の壁に、叩きつけるように描いたのが「黒い絵」だ。見ているのは、見られているのは自分だけだ。 これでゴヤになった。74歳。
ピカソはスペインの地方都市マラガから
パリに行き、持ち前の「精力」と神業的「描写力」で美術界の花形となり、「青の時代」「ばら色の時代」の絵が画商ヴォラールにより全て買い取られる。生涯生活を保障されたピカソは勝負に出る。 生きるために一日数枚難なく描きなぐっていたそれまでの絵をぴたっとやめる。 アトリエに閉じこもり、10ヶ月の歳月と800枚のデッサンを費やしてただ一枚描いたのが「アヴィニョンの娘たち」だ。初めてピカソが本気になった。26歳。 完成したとき、友人は嘲笑し、批評家に「漫画家になれ」と罵られる。皆去っていく。 しかし彼は確信していた。いつかこの絵はきっと世界の美術館に入るんだ。 そして33年後、 ニューヨーク近代美術館により買い上げられた。