Joan Miró - ミロの絵
"The Lightning Bird Blinded by Moonfire" Joan Miró Thyssen Museum @ ティッセン美術館
Miro's painting shows a more cosmic extension than human.
"夜のなかの女たち" 大原美術館蔵
外見は実際の姿を隠している場合がる。
ゴッホの晩年の光に包まれた眩い作品を、彼の「物語」を知らずに見たら、誰が彼の悲劇を感じ取れただろうか。
ミロも自らを悲観的だと告白している。
初めてミロの作品に出会ったのは高校生の時、大原美術館でだ。
「人間によって描かれた絵ではない」というのが正直な印象で、ポロック、フォンタナ等の作品が実に人間的に感じた。
当時私が傾倒していた美術評論家坂崎乙郎はミロ嫌いだった。
彼は人間臭く、人生の明暗が強い癖のある作家しか興味が無かった。
ミロは彼には自由奔放、天真爛漫な作家に見えていたのかも知れない。
その後、バルセロナのミロ美術館で初期から晩年までの膨大な作品を見たとき、彼の強烈な生き様を見ることが出来た。
緻密で、中世の細密画を思わせる線。単に記号としか見えない部分部分も実は注意深く現実に影を落としている。
神経が針のように研ぎ澄まされ、一枚一枚が命を削っての制作だったことは明白だ。
ピカソがイベリア美術で自分のルーツを見方にしたように、ミロはカタルニア・ロマネスクに一筋の光を見つけた。それは人間的というよりあまりに宇宙的な広がりを持つ。